大手ハウスメーカーによる鉄骨住宅を、住まい手のライフスタイルの変化に合わせてリノベーションしました。もともとはLDK＋2室に分かれていた2階の仕切り壁をすべて取り払い、大きな一室空間としました。耐震性を確保するため鉄骨柱と斜材ブレースはそのまま残しつつ、45mm角の杉材による縦格子を設け、構造体を目立たせず空間に溶け込ませました。

 

料理好きなお施主さんの希望で、キッチンを空間の主役に据え中央に配置。バルコニーに向かって5度だけ斜めに振ることで、視線の広がりとダイニングスペースのゆとりを生み出しています。床はパイン無垢材、壁は漆喰で仕上げ、柔らかく自然な素材感を大切にしました。

 

キッチンは無垢の木製キッチン、ウッドワンスイージを採用し、手仕事の温もりが感じられるように。トイレの手洗い器はお施主さんが食器をコレクションしている作家さんに製作してもらい、空間に個性を加えています。格子で緩やかに仕切られた一室空間が、お互いの気配を感じながら過ごせる、居心地の良い住まいをつくり出しました。

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工事：リノベーション ／ 場所：埼玉・川越／ 用途：住宅／ 構造：鉄骨・3階建て／ 竣工：2024.3