フランス料理店で修業し、その後レストランパティシエとしての経験を積んだシェフが手掛ける、パンとケーキ、焼き菓子のお店です。日本ではパン屋とケーキ屋が分かれていることが多いですが、ヨーロッパではこのような業態は一般的。Ten.Tenは、その魅力をそのまま体現しています。

限られた予算の中、施主、ご友人、かつてのバイトの子、小さなお子さん、設計者も加わり、大勢で灰色の漆喰を塗り上げました。パティシエの市毛さんは、初めてとは思えないほどの手際で美しい仕上がりを見せ、石屋の柳下さんは床に美しい大理石を丁寧に貼ってくれました。多くの人の手でつくり上げた、まさに手作りの宝石箱のような空間です。

とにかく手間を惜しまず、素材にこだわったシェフの宝石のようなパンやケーキが映えるよう、内装は落ち着いたトーンでまとめました。

また、限られたスペースの中で什器の配置や家具設計にも工夫を凝らし、日々のオペレーションに負担がかからず、かつ雰囲気を損なわない設計としました。

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工事：リノベーション ／ 場所：埼玉・川越 ／ 用途：店舗 ／ 構造：木造二階建て ／ 竣工2024.8